【8月12日 CNS】中国ニュースサイト「澎湃新聞(The Paper)」は10日午後、山東省(Shandong)済南市(Jinan)公安局(警察署)から得た情報によると、ネット上で注目を集めている中国の電子商取引最大手、阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)の女性社員が性的暴行されたと主張している事件につき、同局はすでに特別捜査本部を設置し、この事件の捜査を担当しているという。

「皆さんより警察へのご理解をお願いしたい。警察の捜査は非常に緻密なプロセスで、わずかな落ち度も許されない。この事件は多くの細かな出来事がプライベートな空間で発生しており、難しい捜査となるが、安心して任せてほしい。警察の捜査結果が出たら、必ず一般公開する」と、特別捜査本部のあるメンバーは述べた。

 この前、アリババ女性社員は、以下の経過をネットへ書き込んだ。当該女性社員が出張中に、取引先に悪意に酔いつぶされ、わいせつな行為を受けた。そして、当該女性社員の上司はひそかにホテルの部屋をとり、数度に渡り部屋に侵入し、彼女に性的暴行を加えた。彼女はその後、警察に通報し、会社にも事情を報告した。

 8月7日夜、アリババの関係者は、済南の警察はすでにこの事件について捜査を進めていると澎湃新聞に明かした。会社は容疑者を停職処分にした。同時に、社内に独自の調査チームを立ち上げるという。

 8月8日未明、アリババ取締役会会長兼CEOの張勇(Daniel Zhang)氏は社内ネットに投稿した。社員による女性同僚への性的暴行容疑事件に、驚き、憤り、恥じ入っていると感情を表した。同時に、調査のうえ、事実関係を明確にし、必ず社内全員と社会全体に説明すると表明した。

 8月8日午前、済南市公安局槐蔭区(Huaiyin)分局(支局)はアリババ女性社員が性的暴行されたと主張する事件につき、現在、積極的に調査・聴取を進めており、結果が出次第、社会に公開すると説明した。

 アリババの張勇会長兼CEOは8月9日未明、社内ネットで「女性社員への性的暴行事件」の段階的な内部調査結果と処分決定を発表した。ローカルリテール事業グループ総裁の李永和(Li Yonghe)氏とヒューマンリソースジェネラリスト(HRG)徐昆(Xu Kun)氏は引責辞任し、最高人事責任者(CHO)の童文紅(Tong Wenhong)氏は過失処分を受けた。事件に関与した男性社員は辞めさせられ、永久追放となった。違法行為があったかどうかにつき、警察が捜査聴取を行っている。(c)CNS-澎湃新聞/JCM/AFPBB News