【8月11日 AFP】エチオピアの多数の地域で戦闘が激化する中、2019年にノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を受賞したアビー・アハメド(Abiy Ahmed)首相は10日、軍務適格者は全員軍に加わるよう呼び掛けた。

 首相府は、「今こそ軍務に適したエチオピアの成人全員が国防軍、特殊部隊、民兵組織に加入し、愛国心を示す時だ」と述べた。

 アビー氏は昨年11月、政府と対立するティグレ(Tigray)州政府を率いる「ティグレ人民解放戦線(TPLF)」を制圧するため、北部ティグレ州に派兵。同国北部では以後、武力衝突が続いている。アビー氏は2か月前、8か月近く紛争状態だったティグレ州で、「一方的な停戦」を宣言したばかり。

 派兵から9か月後、TPLFは隣接するアファール(Afar)州やアムハラ(Amhara)州に進攻。国連(UN)によると、ティグレ州では40万人が飢饉(ききん)のような状況に直面しているとされるが、支援は難航している。

 今月10日、政府もしびれを切らしたとみられ、アビー氏は治安部隊に対し、「反逆的なテロ組織TPLFによる破壊活動と、外国勢力の陰謀を完全に阻止するよう」命じた。

 首相府は、軍に加われない人は、「物資提供や精神的支援」など、他の方法で軍に貢献できると述べている。「テロ組織TPLFのスパイや工作員を突き止めるため、すべてのエチオピア人が国家の目となり耳となり、治安部隊と緊密に協力しなければならない」 (c)AFP/Robbie COREY-BOULET