■ラモントマルチェル・ヤコブス/陸上

 イタリアのラモントマルチェル・ヤコブス(Lamont Marcell Jacobs)は、間違いなく今大会に、さらには五輪史に残る驚きをもたらした選手だろう。無名に近い存在だったヤコブスは、陸上男子100メートル決勝で9秒80をマークし、金メダルを獲得した。

 さらに数日後には、4×100メートルリレーでイタリアに金メダルをもたらし、今シーズンに入るまで9秒台を出したことがなく、欧州室内選手権(European Athletics Indoor Championships)の60メートル優勝がキャリアのハイライトだった選手にとっての大変身の大会を締めくくった。

■タチアナ・スクンマカー/競泳

 南アフリカのタチアナ・スクンマカー(Tatjana Schoenmaker)も五輪の舞台で見事に自分の存在をアピールした選手で、競泳女子200メートル平泳ぎ決勝を世界新記録で優勝し、母国に1996年アトランタ五輪以来となるこの競技での金メダルをもたらした。

 100メートルの銀メダルも獲得していた24歳は、200メートル予選で世界新記録にわずかに届かなかった際は、あと少しだけ爪が長かったらと冗談めかして語ったが、それでも決勝ではネイリストの助けを借りることなく、これまでの記録を0秒16上回る2分18秒95の世界新記録をしっかり出して優勝を果たした。

■アシング・ムー/陸上

 米国の19歳アシング・ムー(Athing Mu)も、3日の陸上女子800メートルで見事な優勝を飾り、華々しく世界最大の舞台へデビューした。

 ムーはスタートからフィニッシュまで先頭を守り切り、この種目では1968年メキシコシティー五輪以来となる金メダルを米国にもたらした。南スーダンからの移民を両親に持つムーは、今後400メートルへの出場機会も増やしていくとみられ、2024年パリ五輪では800メートルとの2冠にも期待がかかる。(c)AFP