【8月6日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は6日、東京五輪がほぼ無観客開催になったことで不安を抱いていたと認めながらも、選手たちが大会に「魂」を注いでくれたことで、「(自分の)想像を超えるもの」になったと話した。

 バッハ会長は2020年から延期された東京五輪について、日本政府がファンの受け入れを断念したと強調し、「無観客でやるという日本政府の決定を受け入れなければならなかった後、魂のない五輪になってしまうのではないかと恐れていたことを、認めなければならない」と述べた。

 その上で「だが幸運にも、ここでわれわれが目にしているものは全く違う。なぜなら、アスリートたちがこの五輪に素晴らしい五輪魂を注いでくれたからだ」とし、「選手村や競技会場で私が体験したことを踏まえれば、大会の雰囲気はこれまで以上に盛り上がっていると言うべきだ」と語った。

 東京五輪は昨年、中止の瀬戸際に追い込まれた末に史上初の延期となったが、バッハ会長は財政難に苦しむ各競技連盟に分配するために、IOCが8億ドル(約878億円)を負担したと強調。

 また、「アスリートのために」開催へ突き進むよりも、保険を適用して大会を中止する方が、IOCにとっては費用がかからず、「簡単な解決策」でもあったと述べた。

「われわれは保険に頼らないと決めたが、逆にもっと資金を費やして、アスリートのために大会を実現した」 (c)AFP