ふんだらけの湖、空気注入式プール、2回の感染…コロナ禍で奮闘続けた競泳選手ら
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■「大変な道のり」
オーストラリアのブレンドン・スミス(Brendon Smith)はメルボルンの冬の夜明け、ウエットスーツを着て、姉と一緒に波立つ海に向かった。水のあまりの冷たさに、ひどい頭痛に襲われた。
男子400メートル個人メドレーで銅メダルを獲得したスミスは、記者団に「ここまで来るのは、いばらの道でした」と振り返った。
自宅の裏庭に空気注入式の小さなプールを設置したのは、オランダのシャロン・ファンラウエンダール(Sharon van Rouwendaal)だ。伸縮性のあるひもで柱に体をつなぎ、無限に泳げるプールを安価につくりあげた。
「必ず解決策はあります。クリエーティブになればいい!」。ファンラウエンダールはソーシャルメディアに投稿した。
男子200メートル自由形と4×200メートルリレーで優勝した英国のトム・ディーン(Tom Dean)は、コロナに2回かかり、練習の中断を余儀なくされた。
「自宅のアパートにひとり隔離されていた時は、五輪の金メダルなんてとても手の届かないもののように思えました。でも今は見てのとおりです」
激しいトレーニングを再開できるまで回復するには、時間がかかった。
「長い間泳ぎから離れていたのはきつかったし、時間をかけて力をつけていくことが必要でした。すぐに完全な練習に戻ることはできない。そういう病気なのです」とディーンは語った。
「つらかった。大変な道のりでした」 (c)AFP/Neil SANDS