【7月29日 AFP】人気ゲーム「コール・オブ・デューティ(Call of Duty)」や「キャンディークラッシュ(Candy Crush)」を制作する米ゲーム大手アクティビジョン・ブリザード(Activision Blizzard)の従業員らが28日、社内で横行する性差別とセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)に抗議し、ストライキを決行した。オンライン上では、ユーザーに同社のゲームで遊ばないようボイコットを呼び掛けている。

 カリフォルニア州アーバイン(Irvine)の社屋の外では、約200人が抗議デモを実施。リモート勤務のスタッフにも業務放棄が呼び掛けられた。

 同社は先日、「性差別的な文化を助長し、女性の賃金を男性より低く設定していた」として、カリフォルニア州当局から州法違反で提訴された。これを受け、有害な職場環境に対する苦情が改めて噴出し、ストに発展した。

 従業員側は、ハラスメント被害の申し立てがあった際に会社が強制的に仲裁するのをやめること、雇用慣習を改善すること、多様性と男女平等に関するタスクフォースの設置を求める共同声明を発表。スト主催者によると、この声明には従業員約2600人が署名した。

 カリフォルニア州公正雇用住宅局(DFEH)の訴状によれば、アクティビジョンの従業員のうち女性はわずか20%で、管理職に就く女性はほとんどいない。また「管理職になっても、女性の給与や報奨金、報酬の総額は男性管理職よりも少ない」という。

 訴状には社内にまん延する不適切行為も詳細に記されており、複数の男性従業員が、同僚女性の体を触ったり、「女性の体についておおっぴらに話したり、レイプに関する冗談を口にしたり」しているという。

 会社側は当初、訴状には「会社の過去について、歪曲(わいきょく)された記述が含まれており、その多くは虚偽だ」として疑惑を否定していた。

 ストに先立ち、ボビー・コティック(Bobby Kotick)最高経営責任者(CEO)は従業員に宛てた書簡で、会社の当初の対応は「率直に言って、鈍感だった」と認め、「被害申し立てを審査し、適切な処分を科すプロセスの一貫性を妨げてきたと確認された者は、誰であろうと解雇する」と述べた。(c)AFP/Gilles CLARENNE, with Glenn Chapman in San Francisco