【7月28日 AFP】インドネシアは28日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による過去24時間の死者数が2069人と、過去最多となったと発表した。同国は、新型コロナのパンデミック(世界的な大流行)開始以来、最も深刻な感染急拡大に直面している。

 保健省によると、死者数は前日より600人近く増え、先週記録した過去最多の1566人を上回った。新規感染者数も26日の2万8000人から4万5000人以上に急増した。

 インドネシアでは、3週間にわたり新型コロナ対策の活動制限が実施されていたが、今週に入り緩和され、小規模な商店や飲食屋台、一部ショッピングモールの再開が許可された。

 医療専門家らは、インドやブラジルを抜いてパンデミックの震源地となっている広大な群島国インドネシアに、感染力の強い変異株「デルタ株」がまん延しており、新たな感染の波を引き起こす可能性があると警告していた。

 インドネシア政府はパンデミックへの対応や、公衆衛生よりも東南アジア最大の経済を優先した政策について広く批判されてきた。

 ジョコ・ウィドド(Joko Widodo)大統領は行動制限緩和の根拠として、被害の大きい首都ジャカルタを含め、1日当たりの感染者数や病床使用率が減少していることを挙げている。

 だが、デルタ株はジャカルタ以外の約12の地域、人口密度の高いジャワ(Java)島やバリ(Bali)島でも確認されており、こうした地域ではここ数週間で感染者が急増している。

 27日の入国管理局発表によると、7月初旬以降、ジャカルタの主要国際空港を経由して約1万9000人の外国人がインドネシアを出国しており、うち日本人が2962人、中国人が2219人となっている。

 インドネシアは日本企業の主要市場となっている。また、最大の貿易相手国である中国企業が支援する事業計画が多数存在する。(c)AFP