【7月22日 AFP】米疾病対策センター(CDC)は21日、米国の2020年の平均寿命(出生時の平均余命)が77.3歳で、前年と比べて1.5歳短くなったとの統計を発表した。新型コロナウイルス流行が最大の要因で、特に男性と有色人種への影響が最も大きかったとしている。

 2019年の平均寿命は78.8歳で、77.3歳は2003年以来の低水準。男性の平均寿命は前年より1.8歳短い74.5歳、女性は1.2歳短い80.2歳だった。

 CDCは、2019年から2020年にかけて平均寿命が短くなった最大の要因は新型コロナウイルス感染による死者の増加だと報告している。また、不慮の事故、殺人(男性に多い)、糖尿病、肝臓病による死者も増加した。

 一方、死因のうち、がんや慢性の呼吸器疾患、自殺は減少。この他、男性ではインフルエンザ、肺炎、アルツハイマー病が、女性では心臓病と脳卒中が減少した。

 人種別で見ると、ヒスパニック系の平均寿命は前年比マイナス3.0歳の78.8歳、黒人はマイナス2.9歳の71.8歳。白人はマイナス1.2歳となる77.6歳で、減少幅が最も小さかった。

 減少幅が最も大きかったのはヒスパニック系の男性で、平均寿命は前年より3.7歳短い75.3歳。黒人男性は3.3歳短くなり68.0歳、黒人女性は2.4歳短くなって75.7歳だった。

 CDCの報告は、平均寿命が短くなった要因のうち、新型コロナの影響はヒスパニック系で90%、非ヒスパニック系白人では67.9%、非ヒスパニック系黒人では59.3%に上ったとしている。(c)AFP