【7月16日 AFP】中国は16日、二酸化炭素(CO2)の排出量取引を開始した。気候変動を引き起こす温室効果ガスの削減と政府が目指す2060年までに二酸化炭素の排出量実質ゼロを実現する上で、重要な鍵となるとされている。

 中国は10年前、全国的な排出量取引の計画を発表したが、石炭業界のロビー活動や環境を犠牲にして急速な経済発展を推し進める政策によって、その進展は妨げられてきた。

 米シティグループ(Citigroup)は、取引額は今年末までに8億ドル(約880億円)、10年以内に250億ドル(約2兆7000億円)に達すると試算している。

 取引市場ではまず、国内の発電業社2225社を対象にする。国際エネルギー機関(IEA)のデータによると、世界の炭素排出量の約7分の1が、これら企業による化石燃料の燃焼によるものだという。

 2019年の中国企業による温暖化ガスの排出量は139億2000万トンに上っており、対象となる発電業社の排出量はこの3分の1以下にすぎない。

 フィンランドの研究機関「センター・フォー・リサーチ・オン・エナジー・アンド・クリーンエア(CREA)」の主席アナリスト、ラウリ・ミルビエルタ(Lauri Myllyvirta)氏は、当初は航空業界や石油化学業界など7セクターも対象となる予定だったが、排出量取引制度に対する中国当局の「野心は小さくなった」と指摘した。

「(新型コロナウイルスの)パンデミック(世界的な大流行)後、政府が経済成長を促進する目的で、エネルギー集約型産業に多額の資金を投入したため、石炭、セメント、鉄鋼の生産量はすべて増加した」と述べた。(c)AFP