【7月15日 AFP】(更新)欧州連合(EU)の欧州委員会(European Commission)は15日、EU加盟国のハンガリーとポーランドでLGBTQ(性的少数者)市民に対して差別的とされる措置が導入されたことを受け、両国の保守政権に対する法的措置を開始した。

 欧州委員会はEU加盟国に対し、違反手続きを開始する権限を持っている。この手続きには複数の段階があり、数年にわたり長期化する場合があるが、最終的には欧州司法裁判所(European Court of Justice)への提訴と経済制裁につながる可能性がある。

 ハンガリーは先週、EU指導部や加盟各国の首脳からの警告を押し切り、「反小児性愛法」を施行。未成年者に対して同性愛や性別移行を「助長」する行為などを禁止した。ポーランドでは、国土の3分の1ほどを占める約100の自治体が「反LGBT」決議を採択している。

 欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長は「誰を愛するかということや年齢、民族、政治的見解、信仰を理由に、われわれの社会の一部が汚名を着せられることを、欧州は決して許さない」と表明した。(c)AFP