【7月10日 AFP】世界保健機関(WHO)は9日、新型コロナウイルスのmRNAワクチン接種と「非常にまれ」に起こり得る心筋炎と心膜炎には「因果関係が存在する可能性」があるとの見解を発表した。ただし、mRNAワクチンによるメリットはリスクを上回るとしている。

 ワクチンの安全性に関するWHOの国際諮問委員会(GACVS)によると、米国をはじめとした複数の国で、mRNAワクチン接種後に心筋炎や心膜炎を発症するケースが報告されている。

 GACVSは、一般的に「接種後数日以内に発症しており、特に若い男性に見られ、mRNAワクチンの2回目接種後の発症例が多い」としている。

 一方で、接種した後に心筋炎や心膜炎を発症するのは「非常にまれ」と指摘し、「新型コロナによる重症者と死者を減らす上で、mRNAワクチンのメリットはリスクを上回る」との見方を示している。

 また、接種後に心筋炎や心膜炎を発症しても多くは軽症で、手術を必要としない「保存的治療」で済んでいると説明しつつも、長期的な影響を注視していくとした。

 米国の医療当局者らは先月、米製薬大手のファイザー(Pfizer)とモデルナ(Moderna)製のmRNAワクチンと、若年層が接種後に発症する心筋炎との関連性を警告していた。(c)AFP