【7月4日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)は3日、男子シングルス3回戦が行われ、ニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)は大会第16シードのフェリックス・オジェ・アリアシム(Felix Auger-Aliassime、カナダ)との試合を6-2、1-6の時点で負傷により途中棄権した。

 この日はすでにジョーダン・トンプソン(Jordan Thompson)とジェームズ・ダックワース(James Duckworth)の豪男子2人が敗退していたが、キリオスも悪いムードを吹き飛ばすことはできなかった。

 キリオスが試合前のロッカールームにシューズを置き忘れたことが、豪男子勢にとっての散々な一日を象徴していた。キリオスはコートでバッグの中を探した後、ミスに気づき、困惑した様子の審判に「ロッカーにシューズを忘れてきた」と伝えた。

 キリオスは「前にも一度あったが、ウィンブルドンでは初めてだ」と明かし、「ラケットもウエアも持って準備万端だと思い、自信満々でここへ出てきたらなんと、ロッカーにシューズを忘れていたんだ」とコメントした。

 第1セットを6-2と圧倒して獲得したキリオスだが、続くセットを1-6で落とすと、直後に腹部のけがで棄権を申し出た。それでも本人は、2014年にベスト8入りしたウィンブルドンでの1週間を前向きに捉えている。

「ここ(コート1)へ出てきて、これだけの応援をしてもらえたことで、新たな力をもらえた。また戻ってきて、次はもう少し長くプレーしたい」

「この大会へ向けた準備はすべてしてきたし、1回戦では強敵(第21シードのウゴ・アンベール<Ugo Humbert、フランス>)も倒せた」

 今回のウィンブルドンは、キリオスにとって新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)以降では初の国外遠征で、隔離環境「バブル」のルールを自分が守れるとは思えないキリオスは、海外での大会出場を避けていた。(c)AFP/Pirate IRWIN