【7月2日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領一族が経営する複合企業トランプ・オーガニゼーション(Trump Organization)と同社のアレン・ワイセルバーグ(Allen Weisselberg)最高財務責任者(CFO)が、脱税などの罪で起訴された。同社とワイセルバーグ被告は1日、ニューヨークの裁判所で、いずれも無罪を主張した。

 前大統領の事業に対しマンハッタン(Manhattan)地区検事局が3年近く続けてきた捜査で、関係者が起訴されたのは初めて。トランプ・オーガニゼーションのCFOを長年務めてきたワイセルバーグ被告は、トランプ家の秘密を握る人物とされる。現段階ではトランプ氏本人や家族は起訴されていないが、2024年の大統領選立候補を示唆する同氏にとって、今回の起訴は大きな打撃となる。

 ワイセルバーグ被告はニューヨーク当局に出頭後、午後2時15分(日本時間2日午前3時15分)前、手錠をかけられ州裁判所に出廷した。

 同社とワイセルバーグ被告は、ニューヨークで15年間にわたり税務不正に及んだとされ、重窃盗や脱税、事業記録の改ざんなど15件の重罪に問われている。起訴状によると、同社は2005年3月から今年6月にかけ、ワイセルバーグ被告を含む幹部らに対し、「帳簿外」の報酬を支払っていた。被告は付加給付に関係する計170万ドル(約1億9000万円)の所得に対する納税を逃れたとされる。

 トランプ氏は声明で、起訴は政治的動機に基づいており、「国を分断」しているとして検察を非難。トランプ・オーガニゼーションも、検察はワイセルバーグ被告を「前大統領に危害を加える焦土作戦の駒」として利用していると批判した。(c)AFP