【7月1日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)女子シングルス1回戦でセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)が足を滑らせて負傷し涙ながらに棄権するなど、今大会のグラス(芝)コートは深刻な問題を抱えているとされており、ニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)はコートの状態は「ジョーク」だと烙印(らくいん)を押した。

 マーガレット・コート(Margaret Court)氏に並ぶ四大大会(グランドスラム)最多24勝の夢がまたしても絶たれたセレーナは、棄権を余儀なくされて「胸が張り裂けそう」と肩を落とした。

 セレーナが転倒した数時間前に行われた6月29日の男子シングルス1回戦では、アドリアン・マナリノ(Adrian Mannarino、フランス)がセンターコートの同じ場所で転倒し負傷した。

 ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)との試合は、セットカウント2-2で迎えた第5セット途中でマナリノがリタイアを強いられた。

 芝についてフェデラーは、「屋根の下ではいつもより少し滑りやすくなっていると感じた。日中は乾燥しているような気がする。風が吹いたりして芝から水分が奪われたのではないか」とコメントした。

「普段と全然違うとは思わなかった。いつもこういう感じだ。芝がより滑りやすくて軟らかいので、多くの選手にとって最初の2試合が重要になる。トーナメントが進むにつれて芝は硬くなり動きやすくなる」

 一方でキリオスは、1回戦の最終セット第13ゲームに派手に転倒したものの、本人は大きな問題とはしなかった。この試合中にキリオスは、「ジョークだろ」と1番コートについてつぶやいた音声をマイクに拾われている。

  また大会第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)も、ケビン・アンダーソン(Kevin Anderson、南アフリカ)との一戦で少なくとも5回は転倒した。

 大会は雨で2日間順延となった遅れを取り戻すべく進められているが、オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(All England Lawn Tennis and Croquet Club)のコートは批判を集めている。

 しかし会場側は、コートの状態は基準を満たしていると強調し、「芝を準備する上で細かい基準は過去の大会と完全に一致している。草本は最高の状態で青々としている。これが自然な状態の表面に水分をもたらす」と批判をはねつけた。(c)AFP