【6月28日 AFP】英政府は27日、国防省の機密文書が南東部ケント(Kent)州のバス停で発見された経緯について、現在調査していると発表した。英BBCによると、50ページに及ぶ文書は22日、バス停に放置されているのを匿名希望の民間人が見つけた。

 国防省は、先週のうちに職員から文書を紛失したと報告を受け、調査を開始したとしている。

 ブランドン・ルイス(Brandon Lewis)北アイルランド相は27日、英スカイニューズ(Sky News)に「あってはならないことだ」と述べた上で、問題は発生直後に「きちんと」報告され、内部調査が始まったと説明した。

 BBCによれば機密文書には、英駆逐艦「ディフェンダー(HMS Defender)」が23日にクリミア(Crimea)半島沖のウクライナ領海を航行したことに関連し、ロシアの反応についての事前議論の内容が記されていた。

 文書によると英当局者は、駆逐艦の航行ルートがクリミアを併合したロシアの反発を招く可能性があることを認識していたが、別のルートを取ればロシア政府から「英国は恐れている、逃げている」と受けとめられると考えたとみられる。また、英国がウクライナ領海とみなしているクリミア半島沖を航行することで、「ウクライナ政府と連携する機会が生まれる」と判断したとされる。

 バス停で見つかった別の文書には、アフガニスタンにおける北大西洋条約機構(NATO)の活動終了後に想定される英国軍の活動計画が記載されていたという。(c)AFP