【6月22日 AFP】先週末のイラン大統領選で当選したエブラヒム・ライシ(Ebrahim Raisi)司法府代表(60)は21日、当選後初となる記者会見を開き、核合意をめぐる協議では「交渉のための交渉」はしないと宣言した。

 ライシ師はまた、ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領と会談する可能性を否定。一方で、対立関係にあるサウジアラビアとの国交正常化には「障害はない」との見解を示した。イスラム教シーア派(Shiite)が多数を占めるイランと、同教スンニ派(Sunni)のサウジアラビアは、5年にわたり国交断絶状態が続いている。

 18日に実施されたイラン大統領選では、有力候補の多くが出馬を禁じられたことや、米国の制裁により国内が経済危機に陥っていることを背景に、投票率が50%を切っていた。

 保守強硬派のライシ師は今年8月、穏健派のハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領の後任に就任する。ロウハニ大統領は2015年、主要国との間で核合意を取り付けるという大きな功績を挙げた。

 ライシ師は記者会見で、核合意をめぐる協議について「国益を保障するような交渉は、間違いなく支持される」としつつも、「交渉のための交渉は容認しない」と表明。交渉はイランにとって「結果」が伴うものでなければならないと指摘した。

 核協議により米国の対イラン制裁が解除された場合、両国間の問題「修復」のためバイデン氏との会談に応じるかとロシアメディアから問われると、「応じない」とはねつけた。(c)AFP