【6月21日 AFP】香港で先週、民主派の現地紙「蘋果日報(アップル・デーリー、Apple Daily)」の幹部5人が逮捕された件について、専門家や報道関係者は、昨年新設された国家安全維持法(国安法)の適用範囲に関する全報道機関への厳しい警告だと受け止めている。

 国際的なビジネスおよびメディアの中心地・香港における当局批判を取り締まる国安法下で、現地紙が掲載した記事によって逮捕が起きたのは今回が初めてだ。

 この逮捕は、香港全域の記者や報道機関に対し、何を書き、何を報じるかによって国安法違反の取り締まり対象になり得るという明白なメッセージを送った。

 地元記者の一人、バオ・チョイ(Bao Choy)氏は「とても悲痛な思いだ」と語る。チョイ氏は2019年の政治的混乱の中で、民主派の抗議デモ参加者に対する親中国派の襲撃を阻止しなかった警察への調査をめぐり、最近になって起訴された。

「われわれは非常に暗いトンネルの中に入りつつある。現時点では終わりが見えない。私は香港のジャーナリズムの未来を楽観していない」とチョイ氏はAFPに語った。