【6月13日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2021)の男子シングルスで決勝に進出したステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)は、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)との一戦で、自身を「チャンピオンの特質を持っている」と評した相手の言葉を証明する戦いに挑む。

 男子テニスの「新世代」の一人と呼ばれる22歳のチチパスは、世界ランキング1位のジョコビッチとの決勝で、ベテランに初めて大舞台で土をつけることを目指す。

 そのチチパスについて、ジョコビッチは「彼は勤勉で熱心な好青年だ」と話し、「それにとても賢くて頭が良い。一人のテニス選手にとどまらず、常に経験から学んで自分への理解を深めようとしているところも好印象だ」と評価している。

「これはチャンピオンの特質だ。世界ナンバーワンや四大大会(グランドスラム)の勝者、そしてテニスの偉大な顔になる優れたポテンシャルを持った選手の特質でもある」

 ブロンドの髪を持ち、身長193センチと長身のチチパスはテニス界の顔としては完璧で、ジョコビッチやラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)の後継者にふさわしいと期待されている。

 21歳になる前に上記の「ビッグスリー」から勝利を挙げ、最年少で3人全員を撃破した選手でもある。2019年には権威あるATPファイナルズ(ATP Finals 2019)のタイトルを獲得するなどすでにツアー7勝を挙げ、今回はギリシャの選手としては男女を通じて初めてグランドスラムの決勝に勝ち上がった。

 しかし、チチパスが証明しなくてはならないことはまだ多く残っている。

 ジョコビッチとの直接対決は7戦してわずか2勝で、クレーでは5セットの激闘を演じた昨年の全仏オープン準決勝、そして5月のイタリア国際(Internazionali BNL d’Italia 2021)の両方で敗れている。

 イタリア国際でナダルとの決勝を戦ったジョコビッチは、半分冗談めかしながらこう話した。

「新世代の若手? 自分やラファ、ロジャーは新世代という言葉の意味を書き換えている。自分たちが新世代だ」 (c)AFP