【6月12日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2021)は11日、男子シングルス準決勝が行われ、大会第5シードのステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)は6-3、6-3、4-6、4-6、6-3で第6シードのアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)とのフルセットに及ぶ激闘を制し、ギリシャ勢として初めて四大大会(グランドスラム)の決勝に駒を進めた。

 5回目のマッチポイントをものにし、メジャー大会では自身初の決勝進出を決めたチチパスは、試合後のインタビューで涙を浮かべながら「ギリシャ・アテネ郊外の小さな町で、全仏オープンの大舞台でプレーすることを夢見ていた頃のことばかりが頭に浮かぶ」と語った。

「神経のすり減る厳しい試合で、自分が生き残った。試合に出て戦った。この勝利はとても大きく、これまでのキャリアでも最も重要な一つだ」

 これまでのグランドスラムでは、2019年と今年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament)に加え、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)にフルセットの末に敗れた昨年のローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)の計3回とも準決勝止まりとなっていたチチパスは、「大満足の形で試合を締めくくることができて、とてもほっとした」と話すと、疲れ果てながらも自分を誇りに思うと胸を張った。

 13日に行われる決勝の切符を手に入れた22歳のチチパスだが、相手は世界ランキング1位でこれまでの直接対決でも2勝5敗と負け越しているジョコビッチであることから、かなりの大仕事が待ち受けているとみられる。

 一方、ズベレフにとってこの試合はできるだけ早く忘れ去りたいものとなった。

 昨年の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)決勝で、2セットアップからドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)に逆転負けを喫したズベレフは、「準決勝ということは特に意識していなかった。傲慢(ごうまん)に聞こえるかもしれない。そのつもりはないけれど、とにかくそういうことだ」とコメントした。

「正直なところ、決勝のことも意識していなかったと思う。自分はこの大会で勝てなかった。ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)は約2週間後に迫っているので、そちらを楽しみにしている」 (c)AFP/Dave JAMES