【6月13日 AFP】米アマゾン・ドットコム(Amazon.com)の創業者、ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)氏が設立した民間宇宙開発企業ブルー・オリジン(Blue Origin)によるオークションで12日、同氏らとの宇宙旅行に参加する権利が2800万ドル(約30億7000万円)で落札された。

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 ベゾス氏と弟のマーク(Mark Bezos)さんは7月20日、ブルー・オリジンの再利用型弾道ロケットシステム「ニュー・シェパード(New Shepard)」で宇宙旅行を実現する。ロケットの名称は、60年前に米国人で初めて宇宙に出たアラン・シェパード(Alan Shepard)飛行士からとったもの。

 12日に行われたチャリティーオークションの落札者は、ベゾス氏兄弟と、もう1人の計4人で宇宙旅行に参加する。

 落札後にブルー・オリジンは、「落札者の氏名は、オークション終了後、数週間以内に発表する」とし、さらに「その後、残る1人となる4人目の乗員が発表される──お楽しみに」とツイッター(Twitter)で明らかにした。

 オークションは5月19日に募集が始まった。12日に白熱したオークションの模様がライブ配信され、最後に残った約20人の中から約10分で落札者が決定した。

 入札額は10日までに480万ドル(約5億3000万円)に達し、最終日にはさらに跳ね上がった。

 売上金は、オークションの手数料6%を除き、科学・技術・工学・数学(STEM)分野に進もうという若者を支援するブルー・オリジンの財団「クラブ・フォー・ザ・フューチャー(Club for the Future)」に寄付される。

「ニュー・シェパード」はテキサス州西部の砂漠から打ち上げられる予定。飛行時間は約10分で、うち約4分間で地球の大気圏と宇宙空間との境界線とされる「カーマンライン」を越える。

 発射後にカプセルがブースターから切り離され、高度100キロ以上を飛行する4分間は、船内で無重力状態を体験しながら、丸い地球を見ることができる。

 ブースターは発射台から約3キロの地点に自律的に着陸する。カプセルは、大きな三つのパラシュートで時速1.6キロほどにまで減速して軟着陸する。(c)AFP/Cyril JULIEN