【6月9日 CNS】新型コロナウイルス感染症が常態化して学生の就職活動に影響が出ているため、中国教育部は今年の大学卒業予定者のため特別な就職支援活動を展開している。

 教育部高等学校学生局によると、今年夏に卒業する全国の大学生(短大、専門学校などを含む)は前年比35万人増の909万人。コロナ禍で一部の企業活動が停滞・休業し、新卒を募集する動きが鈍いため、教育省が関係機関と連携して「2021年全国高等教育卒業生の就職・起業促進行動」を発足した。

 支援策は主に4つ実施する。

 第一に、公務員の採用試験と合格発表を約2か月前倒して行い、7月にほぼ完了させる。卒業予定者の進路を決めやすくする措置だ。

 第二に、基層部(行政、農村の末端組織)の雇用プロジェクト。各地の基層部の採用に特別枠を設けるほか、貧困地域での「三支一扶(教育、農業、医療の支援と貧困扶助)」事業への参加、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)やチベット自治区(Tibet Autonomous Region)などを支援する「西部計画」事業への参加を呼びかける。

 第三が国有企業への雇用促進や、軍隊への入隊。国有企業については、教育省が国有資産監督管理委員会、中国中央ラジオ・テレビ総局などと連携して、第2回「国家採用行動」を開催。これまでに合計58万9000人の求人ポストを提供してきた。軍隊は募集を年2回とし、1回目の募集は大学生からの応募が非常に多かった。2回目も4月に始まっている。

 第四は、民間企業の雇用ルートの積極的拡大。インターネットを通じて24時間365日、就職活動をサポートする「24365スマート就職プラットフォーム」が発足し、社会求人機構と連携してこれまでに1451万件の求人情報を提供し、3763万人分の履歴書を送った。また、15の政府機関が協力して40回の求人フェアを開催し、計342万件の求人情報を提供した。

 特に雇用が困難なグループへの特別支援も強化している。教育省は各大学に主要困難グループの雇用アカウントを開設し、支援を指示。湖北省(Hubei)武漢市(Wuhan)では、学生と企業をマッチングさせるイベントを行い、50万人以上に求人ポストを提供した。

 教育部高等学校学生局は「全国の高等教育機関の努力により、今年の新卒雇用はおおむね安定している」と示した。学生が大学を卒業するまでまだ約2か月あり、教育省は引き続き関係機関と協力して、新卒者の早期就職をサポートする。(c)CNS/JCM/AFPBB News