【6月4日 CNS】中国人力資源・社会保障省によると、第1四半期(1~3月)に人手不足が深刻な100職種では求人が計166万5000人に上ったのに対し、求職者数は60万9000人にとどまり、求人倍率は2.7を超えた。100職種の7割近くは製造業で、技能労働者の不足が顕著となっている。

 技能労働者の不足は2004年に先進経済地帯の沿岸地域から始まった。農村部から都市部への労働力供給が不足に転じる「ルイスの転換点」の到来や、全体の人口のうち労働年齢層が多い「人口ボーナス」がなくなったと議論されてきたが、最近の技能労働者不足は新たな傾向が生まれている。

 第一に、高技能労働者の不足が顕著となっている。「農民工」と呼ばれる出稼ぎ労働者の教育水準は向上しているが、それでも2020年段階で中卒の割合は7割近くを占めている。義務教育を受けていても、専門的な職業教育を受けている割合は高くない。

 第二の特徴は、若年労働者が工場で働くことを敬遠していることだ。都心から離れた工場や過酷で危険を伴う現場を避ける傾向が高まっている。2017年には出稼ぎ労働者のうち50歳以上の割合が初めて20%を超え、2020年には26.4%に増加している。

 第三の課題は労働環境の不安定化だ。契約の形が季節労働から月給労働へと移り変わり、さらに現在は日給労働と時給労働が一般的となっている。労働環境の不安定性と流動性の高まりは、若年労働者が技能を学ぶ機会の喪失や、企業が労働者の育成に投資する意欲をなくす要因となっている。

 こうした状況を改善するには職業教育の充実が必要だが、教育機関や社会通念の中で「一般教育を重視し職業教育を軽視する」傾向は今も残る。このため国の政策として、教育機関や企業で職業教育を強化することが求められている。中国が「製造大国」から世界の先進グループとなる「製造強国」に進むため、高度な技能を持つ若年労働者は不可欠となっている。(c)CNS-光明日報/JCM/AFPBB News