メルセデスF1、危機的状況に代表怒り ハミルトン「屈辱的な経験」
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【6月8日 AFP】6日に行われた21F1第6戦アゼルバイジャンGP(Azerbaijan Grand Prix 2021)決勝で、2戦連続の惨敗に終わったメルセデスAMG(Mercedes AMG)は、F1を席巻し始めて以来最大の危機に激しい苦痛を覚えている。
アゼルバイジャンGPでバルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)が12位、王者ルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)が15位だったメルセデスは、2018年のオーストリアGP(Austrian Grand Prix 2018)以来のノーポイントに終わった。
第5戦モナコGP(Monaco Grand Prix 2021)では、ハミルトンが7位で、ボッタスはリタイアだった。
そうした中で、メルセデスを率いるトト・ヴォルフ(Toto Wolff)代表は6日のレース後、「モナコやここでのようにポイントを失い続けることはできない。われわれ全員にとって許容できないこと」と怒りをにじませた。
スピードでレッドブル(Red Bull)に劣るメルセデスだが、アゼルバイジャンGPでの敗因はピットストップでのロスと、首位を奪取しようとしたハミルトンのブレーキングミスだった。
レースを支配したレッドブルは、トップを走っていたマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)が残り5周でタイヤトラブルによりクラッシュし、リタイアに終わったものの、セルヒオ・ペレス(Sergio Perez)が優勝を飾った。
フェルスタッペンのクラッシュでレースは中断し、再開後に2番手につけていたハミルトンは、フェルスタッペンから総合首位の座を奪い返せるポジションにいたが、ターン1でタイヤをロックさせてしまいチャンスをつぶした。
チームのウェブサイトで「屈辱的な経験」とコメントしたハミルトンは、「ここ最近では有数の厳しい時期を過ごしている。ポイントをフルで手にしたと思った次の瞬間にすべてを失った。だが絶対にわれわれは立て直して戻ってくる」と続けた。
ヴォルフ代表はレース後のビデオ記者会見で、普段よりも感情的になっている様子だった。自身とハミルトンは「ずたずた」だと表現した代表は、「非常につらい。われわれは優勝に手をかけていて、マックスはポイント圏外だった」と肩を落とした。
「改善しなければならない点はたくさんある。今年の優勝を争えるよう、それらに今すぐ取り組みたい」
次戦フランスGP(France Grand Prix 2021)決勝は20日に行われる。ヴォルフ代表は「10日間ある。選手権は非常にオープンで、まだ序盤にすぎない。確実にこのフラストレーションを置き去り、達成感を得られるようにしていかなければならない」と前を向いた。(c)AFP/Raphaëlle PELTIER