【6月4日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2021)の開催国フランスは、今大会の男子シングルスで唯一生き残っていたガエル・モンフィス(Gael Monfils)とリシャール・ガスケ(Richard Gasquet)が3日の2回戦でともに姿を消して、地元勢が全滅するという悲惨な結果に遭遇した。

 今大会のフランス勢は計18人が男子シングルスの本戦に出場していたものの、大会5日目を迎えたこの日で一人もいなくなった。仏男子テニスにとっては、1968年にオープン化されてからの53年間では史上最悪の出来事となった。

 また、女子シングルスでも母国勢は3回戦に出場できず、近代では3回目となる不名誉な結果に終わった。

 この日は世界ランク15位のモンフィスが、同105位のマイケル・イマー(Mikael Ymer、スウェーデン)に0-6、6-2、4-6、3-6で敗退。これで、34歳のガスケは母国のプライドを懸けて通算13回の全仏制覇を誇るラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)を倒さなければならなくなったが、あえなく0-6、5-7、2-6で屈した。

 フランス勢が最後にローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)を制したのは、男子シングルスでは1983年大会のヤニック・ノア(Yannick Noah)氏、女子シングルスでは2000年大会のマリー・ピエルス(Mary Pierce)氏となっている。

 ガスケやモンフィスと同様に、同国勢としてかつて男子世界ランキングでトップ10に入っていた36歳のジョーウィルフリード・ツォンガ(Jo-Wilfried Tsonga)とジル・シモン(Gilles Simon)にも、残されているものは少ない。

 タイトルを獲得した2017年の国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup 2017)で優勝メンバーの一員だったガスケは、当時を振り返り「フランスのテニス界全員にとって素晴らしい時期だった。しかし、あの時代は間もなく過ぎ去っていくだろう」と話す一方、シモンは「われわれは明らかに『次世代』の一員ではない」とジョークを飛ばしていた。

 ランキング入りしている同国勢ではアドリアン・マナリノ(Adrian Mannarino)やブノワ・ペール(Benoit Paire)が32歳。27歳のリュカ・プイユ(Lucas Pouille)は、肘のけが以降自身の高いレベルを取り戻すのに苦労している。

 将来を嘱望されている、ともに22歳のウゴ・アンベール(Ugo Humbert)やコランタン・ムテ(Corentin Moutet)もいるが、安定感を欠いている。(c)AFP