【5月31日 AFP】中国が出産制限を緩和し、夫婦1組当たり子ども3人まで認める「三人っ子政策」へ方針転換した。国営メディアが31日報じた。これに先立って公表された国勢調査で、人口高齢化が急激に進んでいることが明らかになっていた。

 中国は約40年にわたり、世界でも最も厳格な人口抑制策の一つである「一人っ子政策」を敷いてきたが、2016年に労働力の高齢化と経済停滞の懸念から「二人っ子政策」へと緩和した。

 だが政府の奨励もむなしく、中国の年間出生数は減少を続け、先月の国家統計局(National Bureau of Statistics)の発表によると、昨年生まれた子どもの数は同国史上最少の1200万人。合計特殊出生率は1.3人で、安定した人口構造の保持に必要な数字を下回った。

 国営新華社(Xinhua)通信は、31日に習近平(Xi Jinping)国家主席が開いた中央政治局会議で、「人口高齢化への積極的な対応策として、夫婦は3人まで子どもをもうけることができる」との方針が示されたと報じた。

 10年に1度行われる国勢調査では、昨年の時点で人口が14億1000万人に達したが、増加率は1960年代以来最も鈍化したことが示された。

 中国では、2050年までに人口の3分の1が高齢者になるとみられており、国には年金や医療の負担が重くのしかかることになる。(c)AFP