■ナイトセッション初開催

 40歳の誕生日が近づいているフェデラーについては、ファンは依然として優勝争いに絡んでほしいと期待しているが、本人は8回の優勝を飾っているウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)での攻勢を最優先にしている。

 前週のジュネーブ・オープン(Gonet Geneva Open 2021)では初戦敗退となり、クレーコートの実戦は1試合しかこなせていないフェデラーは「過去50年の全仏オープンで、40歳近い年齢に達し、1年半も実戦から離れていて、全てストレートで勝てた選手がいたとは思えない」と話している。

 3強を追いかける選手では、全仏で2回準優勝しているドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)は調子を落とし、自信を失っている。世界ランキング2位のダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev、ロシア)も、過去4回出場した全仏で一度も1回戦を突破できていない。

 その中で、ナダルやジョコビッチを相手に下馬評を覆せる可能性が最も高いのが、世界5位のステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)になる。

 チチパスは4月のモンテカルロ・マスターズ(Monte-Carlo Rolex Masters 2021)と今月のリヨン・オープン(Open Parc Auvergne-Rhone-Alpes Lyon 2021)で優勝し、バルセロナ・オープンではナダルをあと一歩まで追い詰めた。2019年のマドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2019)ではナダルを倒し、昨年の全仏では準決勝でジョコビッチと5セットの激闘を演じた。

 今年の全仏オープンも、昨年の大会と同様に新型コロナウイルスの影の中で開催される。

 6月9日までは、入場できる観客の数は1日あたり5000人強だが、数字は1万3000人まで増やされる。また全仏は今年から初めて10のナイトセッションが予定されているが、コロナ対策で午後9時以降の外出が禁止されているため、そのほとんどは無観客での開催となる。(c)AFP/Dave JAMES