【5月29日 AFP】世界保健機関(WHO)欧州地域事務局のハンス・クルーゲ(Hans Kluge)事務局長は28日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)は人口の70%以上がワクチン接種を終えるまで収束しないと警告し、欧州地域におけるワクチン接種のペースは「遅過ぎる」と批判した。

 インタビューに応じたクルーゲ氏はAFPに対し、「新型コロナウイルス感染症のパンデミックが終わったと思わないでほしい」として、各国政府とその国民はパンデミックについて楽観してはいけないと述べ、ワクチン接種率を上げる必要があると指摘した。

 WHO欧州地域事務局は、ロシアと中央アジア諸国の一部を含む53の国と地域を管轄している。このうち、新型コロナウイルスワクチンの1回目の接種を受けた人は26%。

 AFPの集計によると、これまでに欧州連合(EU)内で少なくとも1回のワクチン接種を受けた人は総人口の36.6%で、接種を完了した人は16.9%。

 クルーゲ氏の主な懸念の一つは、新たな変異株の感染力が強いことだという。

 AFPの集計によると新規感染者数は4週連続で減少しているが、クルーゲ氏は、夏に向けて「人々が警戒を解くこと」が主な懸念事項だと語った。(c)AFP/Camille BAS-WOHLERT