■約2億円で落札されたカニエ・ウェストさんのスニーカーも

 スポーツ界のスーパースターのトレーディングカード一式を買えない人間でも、「部分所有権のプラットフォームのおかげで上流の仲間入りができる」とジョン・シャック(John Schuck)さん(43)は語る。約2万ドル(約220万円)相当分の車や絵画、スポーツ関連アイテムなどを分割所有している。

 物的資産を共同所有する考え方は、もともとは不動産から始まった。この20年で対象の商品は自家用ジェットやヨットまで広がったが、入り口価格は高いままで、一般人にはほとんど手が届かなかった。

 ところが、新規参入のプラットフォームが入り口価格を劇的に下げた。1口10ドル(約1100円)以下の場合もある。

 スニーカーなど、収集ブームで値が高騰して買えなくなったマニアも、こうしたプラットフォームを通じて人気の高い商品を少なくとも部分的に所有できるようになったとジェローム・サップ(Gerome Sapp)氏は言う。同氏が運営するプラットフォーム「レアーズ(Rares)」は、米ラッパーのカニエ・ウェスト(Kanye West)さんと米スポーツ用品大手ナイキ(Nike)が共同制作したスニーカー「エアイージー1(Air Yeezy 1)」を今月、上場させる。レアーズは4月末、この商品をスニーカーとしては過去最高額の180万ドル(約2億円)で落札している。

 一方で、分割所有者が投資対象を実際に目にすることはまれだ。プラットフォームのラリーはオンラインで掲示した物件の一部を陳列したショールームをニューヨークに開設。マスターワークスもギャラリーを持っているが、訪問する人は少ない。

「実物に触れないので、愛着といったものは生まれない」と語るのは、部分所有による収集家の一人、グレッグ・ラブ(Gregg Love)さん。「資産とのつながりは全く感じない」と言う。「自分にとっては純然たる投資で、娯楽だ」