■試合中

 ジョコビッチは、コート・フィリップ・シャトリエ(Court Philippe-Chatrier)の観客が自分の味方になってくれることを期待していた。サッカーW杯ドイツ大会(2006 World Cup)に向けたフランス国内の盛り上がりを利用し、同国代表のユニホームを着て記者会見に臨むまでしたが、残念ながら試合開始が午前だったことから、当日のスタンドには空席が目立った。

 試合は白の七分丈パンツをまとったナダルが第1セットの第1ゲームでいきなりブレークしたものの、ジョコビッチもブレークバックに成功。それでもナダルが再び相手のサービスを破ってゲームカウントを2-1とし、そのまま6-4でこのセットを先取した。

 この試合で両選手が見せたしぐさや癖は、15年たった今もおなじみとなっている。肩まで伸びる髪を白のバンダナでまとめた王者ナダルは、このときからサーブの合間にショーツを伸ばしたり、汗を拭ったりし、細かく気を使う様子を見せていた。

 それでもプレーの方ではあまり時間をかけず、第2セットでは2ブレークアップしてあっという間に3-0とリード。ジョコビッチも2-4と1ブレーク差まで反撃したが、その間に激しい転倒もあり、そこから軽快なプレーを見せることはこの試合で一度もなかった。

  結局ナダルがこのセットも6-4で制すと、第3セットに入って3ポイントを終えたところで、ジョコビッチは背中のけがを理由に途中棄権した。これでナダルは、クレーコートでの連勝を58に伸ばした。