【5月31日 AFP】ジロ・デ・イタリア(Giro d’Italia 2021)は30日、最終第21ステージの個人タイムトライアル(セナーゴ~ミラノ、30.3キロメートル)が行われ、イネオス・グレナディアーズ(Ineos Grenadiers)のエガン・ベルナル(Egan Bernal、コロンビア)が優勝を飾った。

 ミラノ大聖堂(ドゥオモ、Duomo)で大歓迎を受けたベルナルは、バーレーン・ヴィクトリアス(Bahrain Victorious)のダミアーノ・カルーゾ(Damiano Caruso、イタリア)を1分29秒差の総合2位に抑えた。総合3位にはチーム・バイクエクスチェンジ(Team BikeExchange)のサイモン・イェーツ(Simon Yates、英国)が入った。

 今ステージを制したのは、第1ステージの個人タイムトライアルでも勝利したイネオスのフィリッポ・ガンナ(Filippo Ganna、イタリア)だった。

 今大会2区間で勝利したベルナルは「(総合首位の)マリアローザは特別だ。世界で最も美しい場所で行われる、最も美しいレースだ」とコメント。

「このジロを、(ドゥクーニンク・クイックステップ<Deceuninck Quick Step>の)レムコ・エベネプール(Remco Evenepoel、ベルギー)を相手に平地でボーナスタイムを狙ったアタックやスプリントの勝ち方を決して忘れない。それが自分であり、自分の好きなサイクルレースだ」

 アンデス山脈(Andes)で育ったクライマーのベルナルは、かつてマウンテンバイクに乗っていた自身に適したオフロードでフィニッシュを迎える第9ステージで総合首位に浮上。そして第16ステージでは、雨でぬれた寒い山頂フィニッシュながらも上着を脱ぎ捨てて、マリアローザ姿で両手を広げてゴールするという象徴的なシーンを演じた。

 この日も満面の笑みを浮かべて腕を振り上げて同じようにフィニッシュしたベルナルは、3週間の厳しいレースの終わりに、昨年のツール・ド・フランス(2020 Tour de France)での失敗が一過性のものだと示した。

 2019年のツール・ド・フランス王者のベルナルは「そうは見えないかもしれないが疑心暗鬼になっていた。でも今は喜びに満ちあふれている」と語った。(c)AFP