【5月23日 AFP】コンゴ民主共和国のニーラゴンゴ(Nyiragongo)火山が噴火し、同国東部のゴマ(Goma)に避難命令が出された。

 ゴマは過去にも噴火の被害を受けており、22日の公式発表が出る前から、持てる限りの物を持ち、車やバイク、徒歩でゴマから逃げようとする人たちで道路はいっぱいになった。

 住民らは、硫黄の臭いがして、夜空が赤く染まったと話している。

 ゴマを州都としている北キブ(North Kivu)州の軍政府長官は、午後7時(日本時間23日午前2時)ごろニーラゴンゴ山の噴火を確認したと発表し、住民らに平静を保つよう呼び掛けた。

 23日にAFPへ転送されてきた同国のビルンガ国立公園(Virunga National Park)からスタッフへのメッセージによると、状況は悪化しており、火山から流れ出た溶岩が空港に到達したという。

 ゴマ火山観測所(Goma Vulcanology Observatory)は今月10日、ニーラゴンゴ火山周辺の地震活動が活発になっており、観測を強化すると発表していた。

 ニーラゴンゴ火山が前回噴火したのは2002年1月17日。ゴマ東部のほぼすべてが溶岩に覆われ、100人以上が死亡した。この時は空港の仮設滑走路も半分ほど溶岩に覆われ、数十万人がゴマから避難した。

 同火山で最も死者が多かった噴火は1977年で、600人以上が死亡した。

 ゴマ地域には六つの火山があり、その高さはいずれも3000メートルを超える。(c)AFP