【5月18日 AFP】米国競馬のG1レース、第147回ケンタッキーダービー(147th Kentucky Derby)で優勝したメディーナスピリット(Medina Spirit)がレース後の検査で禁止薬物に陽性反応を示していたことを受け、ニューヨーク競馬協会(NYRA)は17日、この馬が所属するボブ・バファート(Bob Baffert)厩舎(きゅうしゃ)が来月5日のベルモント・ステークス(153rd Belmont Stakes)にエントリーするのを禁止した。

 ベルモント・ステークスを主催するNYRAは、バファート調教師を同レースから完全に除外することに加え、同厩舎がベルモントパーク競馬場(Belmont Park)に陣取ることも禁じた。

 同協会のデイブ・オルーク(Dave O'Rourke)会長は、「米ニューヨークが誇るサラブレッドの競馬界を維持するべく、NYRAはファンをはじめ賭けを行う人々やレース参加者のために、この競技の健全性を守る義務がある」とし、「そうした責任から本日この措置を取ることが、サラブレッド競馬にとって最高の得策になる」と述べた。

 米競馬の殿堂入りを果たしているバファート師は、ケンタッキーダービーで自身が調教するメディーナスピリットが禁止薬物に陽性反応を示してドーピング疑惑の目が向けられている中で、今回の動きはまた新たな打撃となった。

 検査結果を受けて、米ケンタッキー州ルイビル(Louisville)のチャーチルダウンズ競馬場(Churchill Downs)では同氏のレース参加が禁じられているが、米国クラシック三冠のうち例年2戦目として行われている15日のプリークネス・ステークス(146th Preakness Stakes)では、メディーナスピリットの出走が認められた。

 1日に行われたケンタッキーダービーで優勝した後、メディーナスピリットは使用が禁止されているステロイド抗炎症薬のベタメタゾン(betamethasone)に陽性反応を示した。2度目の分析検査でも検体が陽性となれば、バファート師は長期の資格停止処分に直面することに加え、同馬の優勝も剥奪される可能性がある。

 バファート師は当初、メディーナスピリットにベタメタゾンを処方したことを断固否定していたものの、後日になってレース前日まで同薬が含まれていた皮膚炎の治療薬を使ってケアしていたことを認めた。(c)AFP