【5月14日 AFP】シンガポール政府は14日、市中での新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるために対策を強化し、外食を禁止する他、公共の場で集まる際の人数を2人に制限すると発表した。

 都市国家のシンガポールは部分的なロックダウン(都市封鎖)に加え、厳格な検査と接触者追跡を徹底した結果、過去数か月は国内の新規感染報告がほとんどなく、一時は収束したかのようだった。しかし、この数週間、空港勤務者を中心とする46人など新たな集団感染が数例明らかにされ、感染者数は増加している。

 こうした事態を受けて16日から、レストランなどでの外食は禁止され、公共の場で集まったり個人宅を訪問したりする際の人数は、現在の5人から2人に制限される。また、自宅で仕事ができる従業員は全員在宅勤務を課される。期間は来月13日まで。

 今回の一連の措置は、史上最悪の不況に見舞われた昨年の部分的なロックダウンの際と似ている。

 シンガポールは今月26日から、香港との間を隔離措置なしで往来できる「トラベルバブル」を実施する予定だったが、雲行きが怪しくなった。トラベルバブルは、以前もつまずいている。

 シンガポールのオン・イエクン(王乙康、Ong Ye Kung)運輸相は、感染者数の増加を踏まえると、「シンガポールは再開の基準を満たせない可能性が高い」とし、来週には決定されるだろうと述べた。

 すでに先週の時点で、シンガポールは感染者の急増を食い止めるために、グループの人数を減らしたり、ジムを閉鎖したりしていた。

 人口570万人のシンガポールは、新型コロナウイルスによる死者は31人、累計感染者数は6万1000人と発表している。(c)AFP