【5月14日 AFP】国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ(Andrew Parsons)会長は、東京大会の開催をめぐる日本国民の「怒り」を静めようとする中で、アスリートたちが新型コロナウイルスを拡散させる可能性は「ほぼあり得ない」との考えを示している。

 7月23日に開幕する東京五輪まで10週間、8月24日に始まる東京パラリンピックまで約100日に迫る中、日本は新型コロナウイルスの第4波との闘いを強いられており、国民の間では今夏の大会開催に反対する声が根強い。

 ブラジルからAFPの取材に応じたパーソンズ会長は、新型コロナウイルスの厳格な感染防止策がアスリートと日本国民の安全を維持するとした上で「疑念は理解できる」とし、「不透明な状況で不安な気持ちになるのは普通のことであり、不安は怒りに発展するときもある」と述べた。

 しかし、選手団が日本到着前に複数回の検査を受けたり、滞在期間中も毎日検査が実施されたりするなどの大規模な感染防止策が講じられることによって、ウイルスが拡散する可能性は「ほぼあり得ない」とも強調。そして、確実に共有しておきたいこととして、「この怒りの原因になっているのは、日本国民の安全対大会の開催という構図だ。私は両立できると確信している」と語った。

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)は、海外の選手が参加した最近のテスト大会で感染防止策が機能していると証明できたことや、ワクチン接種は義務ではないものの、多くのアスリートがすでに予防接種を受けていることを明かしている。

 パーソンズ会長によると、現時点でパラリンピック選手の少なくとも60パーセントが大会までにワクチンを打つ予定であるという。また、国際オリンピック委員会(IOC)が米製薬大手ファイザー(Pfizer)と独製薬ベンチャーのビオンテック(BioNTech)が共同開発したワクチンを提供する契約を結んだことで、この数字は増加するとの見通しが立てられている。

「われわれが最も望んでいないのは、現時点において日本の医療体制を危険にさらすことだ」と話している同会長は、さらなる重圧を避けるべく「革新的な解決策」を求めた。

 先日行われた各競技のテスト大会では、約700人のアスリートと約6000人の関係者が検査を受けて、ウイルス陽性者は1人だけだった。しかし、一部のアスリートは制限が厳しすぎると訴えており、陸上男子短距離のベテラン、ジャスティン・ガトリン(Justin Gatlin、米国)は「自分たちの行動範囲がもう少し自由になる」ことを願っていると話している。

 パーソンズ会長は、感染防止策が「人数に比例する」ものであることから、規制が緩和される可能性を除外し、「最優先事項は大会における全員の健康と安全だ。これらの制限を緩めることができるとは考えていない」と語った。(c)AFP/Andrew MCKIRDY