【5月14日 AFP】オーストラリアは13日、世界保健機関(WHO)や国際社会の新型コロナウイルス対応を検証する独立パネル(委員会)の最終報告書公表を受けて、WHOの独立性と権限を強化すべきとの提言を支持した。

 同パネルは12日に公表した最終報告書で、2019年12月に中国・武漢(Wuhan)で流行が確認された際の中国の初期対応の遅れに言及し、新型ウイルスのパンデミックは回避可能だったと指摘していた。

 オーストラリアのマリス・ペイン(Marise Payne)外相は訪問先の米首都ワシントンで、独立パネルのWHOの独立性と権限を強化すべきとの提言を称賛した。「米豪をはじめ、世界の非常に多くの国々が最近対応を迫られた事態や、それに伴う途方もない人命の損失を回避できるようにしていく上で、独立パネルは非常に重要だ」

 権限強化の目的は、パンデミックを起こす恐れのある病原体についての明確な調査権限を与え、流行の可能性についての情報を公開し、各国政府の事前承認なく直ちに行動を取れるようにすることだ。

 ペイン氏と会談したアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官は、「重要なのは、責任の所在を明らかにすることよりも、将来に向けて効果的な対策を取ることができるように、何が起こったのかを理解することだ」と述べた。

「中国側には、国際調査団の立ち入りを受け入れるべき時に認めず、情報を共有すべき時に共有せず、最も重要な時に真の透明性を確保できなかったという落ち度があった」 (c)AFP