【5月12日 AFP】(更新)世界の新型コロナウイルスへの対応を検証する独立パネル(委員会)は12日、最終報告書を公表し、危険の兆候に注意が払われていれば、パンデミック(世界的な大流行)によるここまでの大惨事は防げたはずだとの結論を示した。

「パンデミックへの準備と対応の独立パネル(Independent Panel for Pandemic Preparedness and Response)」は、発表が待たれていた同報告書で、優柔不断や調整不足の「有害な重なり」が一因であり、世界保健機関(WHO)はより早く警鐘を鳴らせたはずだと指摘した。

 同パネルは、国際機関は「人々を守ることができず」、科学を否定する指導者らによって保健当局に対する市民の信頼が損なわれたと批判した。

 2019年12月に中国・武漢(Wuhan)で感染拡大が最初に確認された際の初期対応については、「切迫感が欠如」していたと指摘。また各国が警告に十分な注意を払わなかったために、2020年2月は手痛い「失われた月」になったとの見方を示した。

 また同パネルは最富裕国に対し、最貧国のために9月までに10億回分のワクチンを寄付することや、次のパンデミック発生に備える専門機関の設立に向け、資金を提供するよう呼び掛けた。(c)AFP/Robin MILLARD