原油採掘から風力発電へ 米テキサス州の牧場で進むエネルギー革命
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■収益を考えて事業の転換を決断
採油ポンプを設置したのは1990年代初頭。収益は年々縮小し、およそ30年を経て業者は運営を断念していった。
再生エネルギー開発業者「インフィニティ・リニューアブルズ(Infinity Renewables)」による説明会が地域で行われたのは、渡りに船だった。風力発電で見込める対価について納得したヘルマーズさんは、事業の転換を決断した。
交渉開始から10年を経て、ヘルマーズさんの土地に1基目のタービンが設置された。すでに、エンジー社がインフィニティを買収し、技術も改善されていた。
風力への投資は年々償却され、利益率も上がっている。「タービン(の発電量)は1.5メガワット時とされていたが、今では2.625メガワット時だ」とヘルマーズさん。現在の収益額は明かさなかったものの、原油からの収益は市場の変動で上下したのに対し、「風による電力生産は安定している」と話した。
それでも数か月前には、風力発電に初めて失望させられる試練もあった。テキサス州が記録的な寒波に見舞われ、タービンの回転が10日間止まったからだった。(c)AFP/Francois PICARD