【4月27日 AFP】新型コロナウイルスの感染が急拡大するタイで26日、マスク着用が義務化されたものの会議中にマスクを着用していなかったとして、プラユット・チャンオーチャー(Prayut Chan-O-Cha)首相に罰金が科された。

 タイでは現在、首都バンコクと49県で公の場でのマスク着用が義務付けられており、違反すると2万バーツ(約6万9000円)の罰金が科せられる地域もある。

 会議に出席中のプラユット首相がマスクを着けていない写真が26日、ソーシャルメディアに投稿された。これを受けバンコク知事は、首相に罰金6000バーツ(約2万円)を科したと明かした。

 タイの26日の新型コロナの新規感染者数は2048人だった。前日には11人が死亡し、1日当たりの死者数としては過去最高を記録した。

 タイは厳格な入国制限と迅速な感染者の隔離により感染を抑え込んできたが、バンコクの歓楽街で集団感染が発生して以降、急拡大している。

 バンコクではマスク着用義務化に加え、映画館や公園、スポーツジム、プール、スパ、保育施設などが閉鎖された。

 今回の新規制が導入される1週間前には、バーやナイトクラブが休業を命じられ、飲食店での酒類の提供が禁じられた。

■カンボジア、ラオスでも急拡大

 隣国カンボジアでも感染が再拡大している。

 首都プノンペンでは12日間のロックダウン(都市封鎖)が実施されていたが、26日夜に来月5日までの延長が発表された。

 これ以前には、プノンペンにあるすべての生鮮市場に2週間の閉鎖が命じられていた。

 人口約1600万人のカンボジアでは、約130万人がワクチン接種を1回以上済ませている。同国は中国の中国医薬集団(シノファーム、Sinopharm)とシノバック・バイオテック(Sinovac Biotech)、英国のアストラゼネカ(AstraZeneca)のワクチンを使用している。

 カンボジアの累計感染者数は1万555人、死者数は79人となっている。24日の死者は10人と、1日当たりの死者数としては過去最多。

 昨年は感染拡大を免れたとされるラオスでも、現在感染者が急増している。1週間足らずで累計感染者数は58人から436人に拡大した。

 首都ビエンチャンでは先週、急きょロックダウンが敷かれ、住民は生活必需品の買い出しと通院以外の外出が禁止された。(c)AFP/Aidan JONES