物議醸す新興仏教宗派、ろうそくアートでギネスに挑戦 タイ
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【4月23日 AFP】タイで物議を醸している新興仏教宗派「タンマガーイ(Dhammakaya)」が22日、アース・デー(地球の日、Earth Day)に合わせ、33万個のろうそくの炎で絵を描くギネス世界記録(Guinness World Records)に挑戦した。
首都バンコクに隣接する県にあるタンマガーイ寺院の総面積は約31.5ヘクタール。その本堂の周りに、世界地図とブッダの姿が描かれた。
「心を清めれば、世界も清くなる」という言葉もゆらめく炎で浮かび上がった。主催者らは、国籍、人種、宗教を問わず、読経と集団瞑想(めいそう)に参加し、慈愛の心を分かちよう呼び掛けることが目的だとしている。
地球問題について考えるアース・デーに合わせて行われた挑戦だが、これだけ多くのろうそくを燃やすことで環境へ影響があるのではという声も上がっている。
47歳の信者は「火を付けたのは短い時間だ。私たちの1時間ほどの善意を世界中の人に感じてもらえる。また、私たちがここで示そうとしていることに注目を集めることもできる」と述べた。
世界記録が達成されたかは、現時点では分かっていない。
タンマガーイは1970年に設立された資金力のある仏教集団で、70代の僧侶タンマチャヨー(Phra Dhammachayo)師の下で大きく成長した。
アニメを使った説法の他、タクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相とのつながりも疑われるなど、議論を呼んでいる仏教宗派でもある。
2017年には、当時72歳だったタンマチャヨー師にマネーロンダリング(資金洗浄)と3300万ドル(約36億円)を着服した疑いが掛けられた。寺院の大規模捜査が行われ、複数の隠しトンネルが発見された。
仏教界の権威らは、タンマガーイは金を積めば解脱できるという思想を広め、広報活動を通じて人気を集めようとしていると非難している。
タンマガーイはこれを否定し、犯罪容疑が掛けられたのは政治的な動機に基づくと主張している。
タンマガーイは現在も、人目を引く行事を続けている。「内面の平和を得て世界平和へ」と説き、ベルギー、カナダ、ソロモン諸島や南アフリカなど31か国に84支部を持つ。(c)AFP