中国で大量の顔データがネットで売買 「なりすまし」が可能
このニュースをシェア

【4月28日 CNS】中国メディアによると、中国の一部のSNSや海外のウェブサイトで、身分証明書の顔写真や顔を映した動画のデータが1セット150元(約2489円)で大量に販売されているという。販売者の多くは「この写真や動画でアプリの顔認証システムを通過できる」としている。
中国ではアプリの登録やオフィス、マンションに入る際などあらゆる場面で顔認証システムが浸透している。その顔認証情報が漏えいすれば、別人になりすますことが可能となる。履歴書など書類上の個人情報が漏えいする事例は以前から起きているが、パスワードなどと違って変更ができない生体情報の漏えいは、個人の財産だけでなく生活上の安全も脅かす事態だ。
中国の法律では、当事者の同意なしに個人情報を売買することは認めていない。警察や行政の関係部門は、生体認証情報を売買する「黒い産業」を積極的に取り締まる必要がある。また、ソーシャルプラットフォームは悪質な販売者の監視・通報やアカウントのブロック、ブラックリストの作成などの対策が求められる。
中国政府は個人情報保護法の制定を進めており、本人の同意なしに顔認証を行うことを明確に禁じ、民間企業やマンションの管理業者などがむやみに顔認証を求めることを規制しようとしている。(c)CNS-新京報/JCM/AFPBB News