【4月25日 AFP】フィリピン当局は25日、南シナ海(South China Sea)で同国の沿岸警備隊が訓練を行っていると明らかにした。「海上の管区」の確保に向けた活動の一環だとしている。

 訓練は、フィリピンが占拠するパグアサ島(Pag-asa Island、中国名:中業島、Thitu Island)と中国が実効支配するスカボロー礁(Scarborough Shoal)の周辺海域で行われている。南シナ海では豊富な資源をめぐって両国の緊張が高まっている。

 先月、200隻を超える中国船が南沙諸島(スプラトリー諸島、Spratly Islands)付近の水域に集結しているのが確認された。現在は大半の船が同諸島の周辺に散らばったものの、中比両国の間で摩擦を引き起こした。

 フィリピンは中国に船団を撤退させるよう繰り返し要求しているが、南シナ海の大半の領有権を主張する中国はこれを拒否。フィリピン政府は船団を海上民兵の船だと主張している一方、中国政府は漁船だとしている。

 フィリピン側はこれを受け、監視の強化と違法漁業の防止のため、沿岸警備隊や海軍の巡視船を派遣している。

 沿岸警備隊による訓練は先週、23日まで行われていたフィリピンと米国による合同軍事演習に合わせて開始していた。(c)AFP