【3月24日 AFP】米インド太平洋軍司令官に指名されたジョン・アキリーノ(John Aquilino)太平洋艦隊司令官(海軍大将)は23日、中国による台湾侵攻の脅威は深刻であり、多くの人が理解しているよりも差し迫っているとの考えを示した。

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 アキリーノ大将は、上院軍事委員会の指名承認公聴会で、中国は台湾に対する支配権を取り戻すことを「最優先課題」と位置付けていると指摘し、「この問題は大半の人が考えているよりもはるかに切迫しているというのが私の意見だ。われわれは受けて立たなければならない」と述べ、中国が今後6年以内に台湾を侵攻して支配下に置く可能性があるというインド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン(Philip Davidson)司令官の見方には同意しないと述べた。

 アキリーノ大将は、米国は当該地域の防衛力強化のため提案されている270億ドル(約2兆9000億円)規模の計画を「近いうちに緊急に」実施する必要があると主張。

 また中国の台湾侵攻を許せば、第1に物流の相当部分が台湾を経由している世界貿易が脅かされる恐れがあり、第2に日本・韓国・フィリピンなどアジアの同盟国が米国に寄せる信頼が損なわれるという二つの大きな懸念があると述べた。(c)AFP