【4月24日 AFP】欧州サッカー連盟(UEFA)は23日、観客の受け入れを確約できなかったとして、今年に延期された欧州選手権(UEFA Euro 2020)の開催地からアイルランド・ダブリンとスペイン・ビルバオ(Bilbao)を除外した。また、計画見直しとなった欧州スーパーリーグの創設に関わった12クラブへの報復措置の可能性については、具体的な明言を避けた。

 ダブリンとビルバオは、それぞれアイルランド政府とバスク地方の自治体が、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)下でUEFAにファンの受け入れを保証できなかったことから、開催地から外された。ダブリンで予定されていた4試合は、ロシア・サンクトペテルブルク(St. Petersburg)と英ロンドンに振り分けられ、ビルバオの代替地にはセビリア(Seville)が選ばれた。

 サンクトペテルブルクとロンドンの他、ハンガリー・ブダペスト、アゼルバイジャン・バクー、オランダ・アムステルダム、ルーマニア・ブカレスト、英グラスゴー、デンマーク・コペンハーゲン、そしてイタリア・ローマは、UEFAが設定していた今月の期限までに会場の収容人数の25パーセントから100パーセントの観客受け入れを確約。ドイツ・ミュンヘン(Munich)も期限間際に開催地になることが確定した。

 UEFAによると、6月15日にW杯(World Cup)優勝国対決となるフランス対ドイツの試合が行われるミュンヘンは、地元当局から「最低1万4500人の観客を歓迎する」ことが保証され、4試合の実施にゴーサインが出されたという。しかしながら、ミュンヘンのディーター・ライター(Dieter Reiter)市長は、「観客受け入れについては、これまで何の確約もしていない」と述べた。

 一方、この日バーチャル形式で開かれたUEFA理事会では、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)に対抗して欧州スーパーリーグを計画したいわゆる「汚れた12クラブ」に対し、処分を科すかどうかも議題に上がった。具体的な処分内容については明かされなかったが、いくつかの「選択肢」が検討されたという。

 スーパーリーグを資金面でバックアップすることに合意していた米金融大手JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase)は同日、新リーグ構想が与えるインパクトについて、「明らかに見誤った」との認識を示した。

 UEFAが検討しているさまざまな処分内容の中には、同大会の計画に加わり、次週から始まるチャンピオンズリーグの準決勝にそろって勝ち上がっているマンチェスター・シティ(Manchester City)、チェルシー(Chelsea)、レアル・マドリード(Real Madrid)を大会から除外することも含まれているかもしれない。

 しかし、UEFAのアレクサンデル・チェフェリン(Aleksander Ceferin)会長は21日、スロベニアのテレビ局POP TVに対して「次週の試合が行われない可能性は、比較的低い。試合が中止になれば、テレビ局は賠償金を要求してくるだろう」と述べており、こうした厳しい措置が取られる可能性は低いとみられる。(c)AFP/Coralie FEBVRE