【4月24日 AFP】スイス・バーゼル(Basel)で開催中の欧州体操競技選手権(2021 European Championships in Artistic Gymnastics)で23日、ドイツの女子選手2人がレオタードの代わりにボディースーツを着用して出場し、注目を浴びた。

 個人総合で5位に入ったエリザベト・ザイツ(Elisabeth Seitz)と、同7位のキム・ブイ(Kim Bui)は、腕から脚まで完全に覆われた衣装で演技に臨んだ。今週、同じくボディースーツを着用して大会に出場したチームメートのサラ・ボス(Sarah Voss)は、「心地を良くし、かつスタイリッシュさを保つ」アイデアだと説明している。

 ボスは自身のインスタグラム(Instagram)で「思春期に入り、生理になったときは、どんどん心地悪さを感じるようになった」と投稿。独公共放送ZDFとのインタビューでは、「幼いときは、体のラインにぴったりしていても、大した問題とは思っていなかったのに」と語った。

 ザイツはこの日、レオタードの代わりに全身を覆うボディースーツを着用したことは「重要なシグナル」とコメント。同種目2位に入ったロシアのアンジェリーナ・メルニコワ(Angelina Melnikova)は、ドイツ代表のウエアについて「変わっているけど、かわいい」と話した。

 体操界は近年、相次ぐスキャンダルに揺れている。米国では、シモーネ・バイルス(Simone Biles)ら女子のスター選手を含む少なくとも265人に20年以上にわたって性的虐待を加えていたとして、同国体操連盟(USA Gymnastics)の元チーム医師であるラリー・ナサール(Larry Nassar)受刑者が有罪判決を受けた。

 英国でも虐待行為の疑惑が浮上して注目を集めているほか、ギリシャでは複数の元選手が、コーチ陣の一人から数十年間にわたって「拷問に等しい」虐待行為を受けていたと訴えている。(c)AFP