【2月27日 AFP】英国の元女子体操選手17人が、子どもを標的とした指導者の「身体的、精神的な構造的虐待」を訴え、英国体操協会(British Gymnastics)に法的措置を講じる構えを見せている。

 五輪出場選手3人を含む、現在は15〜43歳の元選手は、法的措置に出る前に協会に書簡を送った。書簡の中では、当時6〜23歳だった選手が、コーチから「身体的力の不適切な使用」を広く受けたり、「根拠のない」体重管理法を使われたりするといった虐待があったとされている。

 競技内での虐待の訴えについては、現在、独立の調査が実施されている。

 2012年ロンドン五輪の女子団体で英代表を決勝に導いた後、国際舞台から退いたジェニファー・ピンチス(Jennifer Pinches)氏は、長く協会は「人ではなく表彰台」に重きを置きすぎていると主張している。

 自身らが受けた虐待は「悲痛な真実」だというピンチス氏は、「これは私たちが要求している抜本的な変化や、私たちが闘っている正義のための第一歩にすぎない」と話した。

 また、選手グループの運動の代表を務めるクレア・ヒーフォード(Claire Heafford)氏は、「これは今も昔も一部の問題ではない。数十年にわたり、上層部に推奨、隠ぺいされてきた構造的虐待だ」と述べた。

 自身は10〜15歳だった頃に押す、たたくなどの身体的な虐待を受けたほか、「毎日のように軽視するようなことや、侮辱的なことを叫ばれたりした」と明かした。

 協会は2月25日午後に書簡を受け取ったと明かしたが、現時点でのコメントは差し控えるとしている。(c)AFP