【4月25日 CGTN Japanese】羊の群れが列車内を歩いて行く動画が21日、ネットで大人気になりました。撮影されているのは中国中部にある四川省(Sichuan)涼山イ族自治州普雄鎮(Puxiong)から同省の攀枝花南駅までの鈍行列車です。同列車は全長376キロを9時間かけて走破し、27カ所の駅に停車します。運行開始は1970年で、最低2元(約33円)、最高26.5元(約441円)の運賃はほとんど変わっていません。

 現地住民のニーズに応え、列車には家禽(かきん)・家畜専用車両が設けられています。豚や羊などの家畜は専用車両にのせられるのが普通ですが、この日は停車時間が短かったため、羊はまず乗客用車両にのせられてから、専用車両に移動させられました。いつもより騒がしくなってしまいましたが、文句を言う乗客は一人もいませんでした。乗り合わせたのは地元の人で、農家にとって家畜とは子どもの教育費を生み出すものであり、家計の支えであると分かっているからです。

 このように、安価な運賃で利用できる鈍行列車は、中国全国で162本が運行されています。いずれも国が、貧困地域の交通問題を解決するために設けたものです。各停列車は貧困脱却のために重要な役割を果たしています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News