【4月22日 CNS】中国のインターネット上で「ボランティア活動に参加した」という証明書が売買されていることが、中国紙「中国青年報(China Youth Daily)」の取材で分かった。学生たちが進学や留学に有利になるよう購入しているとみられる。

 中国青年報の記者は身分を隠し、ネット上で「ボランティア証明書!本物!大学生歓迎」とうたい文句を並べるサイトに連絡を取った。すぐに業者から返事があり、「成績を上げるため? 奨学金の申請? 留学用?」と問い合わせを受けた。やりとりの末、業者が勧めたのが昨年行われた「国際ハーフマラソンのボランティアサービス証明書」。記者が証明書の信ぴょう性に疑問を呈すると、業者は「全国の有名大学の学生が購入している」と説明し、メッセージアプリ「微信(ウィーチャット、WeChat)」で他の学生の振り込み証明などをスクリーンショットで送ってきた。

 記者が220元(約3656円)の「証明書作成料」を支払うと、2日後に郵便が到着。「ボランティア名誉証明書」に氏名や活動期間が明記され、「『2020 ○○マラソン』のボランティアに参加していただきありがとうございます。計70時間にわたり、献身、友情、相互扶助に努めたことを証明し、感謝します」と書かれていた。

 記者が大学の教員を装ってこのマラソン大会の組織委員会に連絡し、写真撮影した証明書をメールに添付して送ったところ、組織委員会から「証明書は組織委員会が発行したものである」という返事が返ってきた。北京煒衡法律事務所の周浩(Zhou Hao)弁護士は「組織委員会のボランティア証明書の管理に抜け穴がある」と指摘する。

 中国青年報の取材では、ネット上ではさまざまな証明書を販売するサイトがあり、「高度な技術で偽造を防止した唯一の証明書番号」という宣伝もあるという。(c)CNS-中国青年報/JCM/AFPBB News