【4月21日 AFP】チリ保健当局は20日、犬コロナウイルスワクチンを少なくとも75人に接種した疑いで、獣医師2人を調査していると明らかにした。

 2人は北部アントファガスタ(Antofagaste)州カラマ(Calama)市で、パンデミック(世界的な大流行)が起きている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)とは別の犬コロナウイルスに対するワクチンを人に接種したとされる。

 昨年9月、保健当局者がカラマにある動物病院を訪れたところ、職員らはマスクを着けずに仕事していた。理由を尋ねると、地元の獣医師にワクチンを接種してもらったと答えた。

 新型コロナウイルスワクチン第1便がチリに到着したのは、その数か月後の昨年12月だった。

 その後、もう一人の獣医師が犬コロナウイルスワクチンをさらに多くの人に接種していたことが明らかになった。

 アントファガスタ州のロッサナ・ディアス(Rossana Diaz)保健長官はチリ国営テレビニュース「24horas」に出演し、「これは非常に危険だ」と語った。人体への影響については、局所的に炎症などが起きる可能性もあれば、全身に及ぶ可能性もあるとする研究があるという。

 この件は今週、獣医師2人が罰金を払えなかったと保健当局が検察に報告したことで発覚した。

 州保健局によると、医療従事者や鉱山労働者を含む少なくとも75人が犬コロナウイルスワクチンの接種を受けた。(c)AFP