【4月20日 AFP】ロックダウン(都市封鎖)中の需要の高まりと、座礁船によるスエズ運河(Suez Canal)封鎖の影響で、英国では庭の妖精の置物「ノーム」が不足していると、BBCが先週報じた。

 ひげを生やした庭の守り神「ノーム」は、19世紀から英国の庭師や園芸家らに愛されてきた。手にスコップや釣りざおを持っていたり、キノコの下に座っていたりする。

 だが、先月にスエズ運河で20万トン級の大型船が砂嵐の中で立ち往生したことで、供給が途絶えてしまった。

 英ガーデンセンター協会(Garden Centre Association)の幹部イアン・ワイリー(Iain Wylie)氏によると、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)やスエズ運河の封鎖により、サプライチェーンは逼迫(ひっぱく)している。

「ガーデンセンターも他の業界と同様、海外からの商品が運河封鎖の影響を受けた」とワイリー氏は話す。「庭園家具や置物、もちろんノームも、英国へ向かっていたコンテナの中に足止めされている」

 イングランド西部グロスターシャー(Gloucestershire)にある園芸センター「ハイフィールド・ガーデン・ワールド(Highfield Garden World)」のイアン・バーン(Ian Byrne)氏によると、コロナ対策のロックダウン期間中、ノームの売り上げは「大幅に増加」した。

 ただし、原料不足のために「残念ながら、この半年間はノームを見ていない」と言う。「プラスチック、石、コンクリート、あらゆるタイプのノームが供給不足だ。どれもこの2、3シーズン、とても人気があった」 (c)AFP