■東京五輪は特訓の集大成

 とはいえ、中国のトップレベルの体操選手にとって、コロナ禍のため1年延期され7月に始まる東京五輪は、何年にもわたる特訓の集大成となる。

 中国体操チームは、自国開催の2008年の北京五輪で圧勝し、それからわずか8年後となる2016年のリオデジャネイロ五輪では金メダルを逃した。体操王国にかかる重圧は大きい。

 首都・北京のナショナルトレーニングセンター。壁には中国国旗と、「東京五輪で勝利」という文字が躍る赤い横断幕が掛かっている。

 主力体操選手がトレーニング中に一息つくのは、タブレットで自分の演技を見直す時か、ペットボトルの水を口にする時だけ。

 ミスは許されない。満足できるレベルに達していないと、選手はコーチに頭を下げる。ミスをすれば、罰として長い一日の練習の最後に追加のウエートトレーニングが待っている。ある女子選手が泣き出し、チームメートが優しく肩をたたいて元気づけていた。

 こんな生活を、東京五輪で金メダルを夢見るアスリートたちは幼い時から続けている。(c)AFP/Nicolas ASFOURI with Danni ZHU